前回の記事では「ふるさと納税の歴史」について解説しました。
今回はふるさと納税の歴史を踏まえ、今のふるさと納税にはどんな課題があり、今後どのような動向が予想されるのか、解説していきます。
ふるさと納税の歴史についてはこちら
ふるさと納税の課題
「ふるさと納税」の歴史を振り返ると、これまで様々な問題や声が上がり改正を続けていることがわかったかと思います。改正し続けている現在でも、以下のような問題点が指摘されてます。


- 返礼品競争の激化
- 地域を応援するという本来の趣旨が希薄となっているという部分が問題になってます。ふるさとや地域応援のためのふるさと納税ではなく、返礼品を目的とした寄附が増えたため、地域間による返礼品競争が今後も発生することが予想されます。
- 寄付額の二極化
- ふるさと納税の開始後、返礼品競争で上位にいる自治体は大きく税収を上げ寄附が集中する一方で、その他多くの自治体では減収に苦しんでいます。もともとの地域特産品の有無や人口に比例したふるさと納税施策にかけられる予算の差があることが問題として挙げられます。
- 首都圏の行政サービスの低下
- 首都圏に住む住民は地方自治体の特産品などを求めて寄付を行う傾向があるため、本来自らが住む首都圏の自治体に収めるはずだった税金は一部控除となり、首都圏の税収が減収しています。税収の減収はこれまで提供できていた行政サービスの低下を招く可能性があります。
- 地方自治体の税負担の増加
- 「ワンストップ特例制度」適用により国が負担すべき所得税控除分を地方自治体の個人住民税控除で負担している問題があります。通常、確定申告を行うと、ふるさと納税を行った年の所得税からの控除(還付)と、翌年の住民税から控除されます。一方、ワンストップ特例制度の場合は、所得税の還付は無く、住民税の減税のみの控除となります。控除を受ける住民の多くは「確定申告」と「ワンストップ特例」どちらで控除を受けられても控除額は同等となるため、手続きが楽になる「ワンストップ特例」を選択する住民が急増しました。よって住民税の減税対象者が増え、地方自治体の負担額が増加しています。
通常、確定申告を行うと、ふるさと納税を行った年の所得税からの控除(還付)と、翌年の住民税から控除されます。一方、ワンストップ特例制度の場合は、所得税の還付は無く、住民税の減税のみの控除となります。控除を受ける住民の多くは「確定申告」と「ワンストップ特例」どちらで控除を受けられても控除額は同等となるため、手続きが楽になる「ワンストップ特例」を選択する住民が急増しました。よって住民税の減税対象者が増え、地方自治体の負担額が増加しています。
ワンストップ特例についてはこちら!
ふるさと納税の今後の動向
ふるさと納税の今後の動向としては以下が考えられます。


- 1兆円市場への成長見込み
- ふるさと納税市場として「1兆円」という目標が見えていることから、今後は寄附額を伸ばして市場を作っていくのではなく、ふるさと納税を活用して各返礼品事業者自身の売上や事業拡大を狙っていく動きを取っていくことが予想されます。
- 返礼品の追加制限
- これまでの傾向から、本来のふるさと納税の役割である「地場産品をアピールして応援してもらう」という趣旨を強化するため、地場産品として取り扱いできる返礼品に制限が加わる可能性があります。
- 広報活動の追加制限
- 2024年3月時点では総務省より主に以下3つに絡む広告を規制対象としています。①謝礼を支払うなどの不当な方法による募集②返礼品を強調した過度な広告③適切な寄附先の判断を阻害する表現
- 上記に関連し本来の役割を担うため、広告宣伝やPRなど自治体が行っていく広報活動の手法や金額に制限が加わる可能性があります。
総じて、ふるさと納税は今後も「地場産品をアピールして応援してもらう」という本来の目的を軸に運営され、そこに関連した規制や発展がなされていくでしょう。
まだまだ課題や懸念が残るふるさと納税制度ですが、この制度はまだ発展途上の制度です。これまでの規制や今後の改正も、地方の自治体および日本全体が盛り上がり、国民の皆さんへ質の高いサービスを提供していくためのプロセスだと捉えることもできます。
少しでもこの記事が皆さんの今後の施策や方針に活かされると幸いです。

