ふるさと納税を通じて地域を応援し、その寄付額に応じた税金の控除を受けることができるこの制度。寄付をした後、控除がきちんと反映されているか気になることもあるかもしれません。この記事では、ふるさと納税が正しく控除されているかどうかを確認する方法を、ワンストップ特例制度と確定申告の2つの手続き方法に分けて詳しく解説します。これを読めば、控除がしっかり行われているかを確認する手助けになるはずです。
ふるさと納税で税金が減額される仕組み
ふるさと納税では、寄付額のうち2,000円を差し引いた金額が、所得税や住民税から控除されます。しかし、寄付を行った後に「控除がちゃんとされているのかな？」と不安になることもありますよね。特に、寄付後はその年の所得がまだ確定していないので、控除額がどのくらいになるか予想しにくいこともあるかもしれません。
この確認をするために重要なのが「住民税決定通知書」です。毎年5月～6月に届くこの通知書には、前年の所得に基づいて計算された住民税額が記載されており、ふるさと納税による控除額が反映されているかをチェックすることができます。
住民税決定通知書で控除額を確認する
住民税決定通知書は、ふるさと納税がきちんと控除されているかを確認するために必要不可欠な書類です。通知書には、昨年の所得に基づいて計算された住民税額のほか、寄付金控除額も記載されています。
住民税決定通知書の見方
住民税決定通知書に記載されている「税額控除額」を確認しましょう。この欄には、ふるさと納税で寄付した金額から2,000円を引いた額が記載されています。たとえば、10万円を寄付した場合、控除額は98,000円となります。この金額がしっかりと記載されていれば、控除は正しく反映されています。
ただし、住宅ローン控除など、他の税額控除がある場合は、ふるさと納税の控除額が他の控除と合算されていることもあります。そのため、控除額が一緒に記載されている場合は、注意して確認しましょう。
ワンストップ特例制度を利用した場合の確認方法
ワンストップ特例制度を利用した場合、寄付金全額（2,000円の自己負担を除く）が住民税から控除されます。この場合、住民税決定通知書の「税額控除額」欄に記載されている金額が、寄付金から2,000円を引いた額と一致しているかを確認しましょう。自治体によっては「寄附金税額控除額」として記載されることもあるので、その点もチェックしておくと安心です。
確定申告を利用した場合の確認方法
確定申告をした場合、ふるさと納税の控除額は所得税と住民税に分かれて控除されます。そのため、確定申告書の控えと住民税決定通知書を合わせて確認することが大切です。
確定申告書の控え
確定申告書の控えには、還付される税額が記載されています。この還付金は所得税分に相当し、指定した口座に振り込まれます。
住民税決定通知書
住民税決定通知書にも、ふるさと納税による控除額が記載されています。「税額控除額」や「摘要欄」を確認して、住民税から正しく控除されているかを確かめましょう。
控除額が反映されていない場合の対処法
もし、住民税決定通知書や確定申告書で控除額が少なかったり、控除されていなかった場合は、いくつかの原因が考えられます。
申請漏れや手続きミス
ワンストップ特例制度を利用した場合、複数の自治体に寄付している場合は、それぞれで申請を行う必要があります。申請をし忘れたり、申請に不備があったりすると、控除が適用されないことがあります。また、確定申告で申告漏れがある場合も、同様に控除が受けられません。
寄附金受領証明書を添付し忘れた
確定申告を行う際、寄附金受領証明書を添付し忘れた場合も控除が適用されません。この場合も、翌年から5年以内であれば更生の請求を通じて修正申告ができます。
限度額を超えて寄付した
ふるさと納税には寄付できる上限額があります。もしその上限を超えて寄付してしまった場合、その分については控除を受けることができません。事前にシミュレーションなどで限度額を確認しておくことが重要です。
まとめ
ふるさと納税で正しく控除がされているかを確認するためには、住民税決定通知書をしっかり確認することが一番のポイントです。ワンストップ特例制度を利用した場合や確定申告をした場合でも、この通知書には寄付金控除額が記載されているので必ずチェックしましょう。
控除額が予想より少ない場合は、申請漏れや手続きミスが原因かもしれません。その場合は、速やかに更生の請求を行うことで、正しく控除を受けることができます。自分の寄付がきちんと控除されているかを確認し、万が一問題があれば対応することで、安心してふるさと納税を楽しんでくださいね。